2量子ビットのハミルトニアン動力学系におけるロバスト動力学制御

2019.11.13

東京大学 村尾美緒

未知パラメータを含む2量子ビットのハミルトニアン動力学系に対して、一方の量子ビットのみの制御ハミルトニアンを付加することで任意の2量子ビットゲート演算を実装する、ロバスト動力学制御が可能であることを示しました。従来のフィードバッグ制御で未知パラメータを含む量子系に対して量子ゲート演算を実装するには、量子測定によって未知パラメータを推定してから、量子ゲ ート演算に必要な制御ハミルトニアンを計算するという古典情報処理ステップが必要でした。ロバスト制御では、未知パラメータの推定は行わずに、設定した範囲のどの値でも同じ量子ゲート演算を実行する制御ハミルトニアンを求めて実行します。このようなロバスト動力学制御は、これまで1量子ビット系についてしか実現可能性が示されていませんでした。本研究では、ロバスト動力学制御が可能な2量子ビット系のクラスを解析的に示すとともに、数値計算によってロバスト動力学制御の制御パルスを求め、より広いクラスのハミルトニアン動力学系におけるロバスト動力学制御の可能性を示しました。

Ref: R. Sakai, A. Soeda, M. Murao and D. Burgarth, Phys. Rev. A 100, 042305 (2019)