ダイヤモンドNV中心アンサンブルを用いたマイクロ波分布の定量的評価

2019.04.01

筑波大学 野村 晋太郎

ダイヤモンドNV中心は量子情報素子や高感度量子センシングの舞台として大きな注目を集めています。最近、私たちのグループでは高速高空間分解能マイクロ波イメージング手法を開発することに成功し、非給電微小アンテナ周りのマイクロ波の局所的な増強を明らかにしました。冷却sCMOSカメラを用いて環境の揺らぎによる信号の変動を抑えた高い安定度でNV中心アンサンブルからの発光イメージを高速に取得しました。NV中心電子系のコヒーレント振動であるラビ振動をピクセル毎に得、マイクロ波振幅がラビ振動数に比例することを利用して、マイクロ波強度を定量的に計測することに成功しました。この手法によりマイクロ波を外部から一様に照射した幅約1μmの非給電微小アンテナ周りにおいてマイクロ波が振幅で21.5倍、強度で462倍に増強されていることを観測しました。nm幅の適切なパターンのデザインにより、量子スピン個別にマイクロ波を印加することが可能となります。

私たちの開発した手法は、量子スピンの局所的な制御、マイクロ波デバイスやメタマテリアル素子の評価、誘電率の差を利用したマイクロ波バイオイメージング等への応用が期待されます。

[1] G. Mariani et al., arXiv:1812.02864v1 [quant-ph] (2018).