量子ポイントコンタクトにおける動的な核スピン分極

2018.03.30

茨城大 青野 友祐

電子スピンは磁場を用いてスピン偏極を容易に偏極できますが、核スピンでは容易ではありません。核スピン分極を引き起こす方法の一つとして、電子と核スピンの間のスピンフリップフロップを用いて、核スピンへの分極を実現する、動的核スピン分極(DNP)と呼ばれる方法があります。近年になり、NMR信号を電気抵抗変化として検出する抵抗検出型NMR法と呼ばれる手法が開発され、半導体ナノ構造におけるDNP 生成の検出が可能となりました。
本研究では、量子ポイントコンタクト(QPC)を用いたDNP生成と抵抗検出型NMRによるDNP検出を理論的に考察しています。面内磁場中QPCがスピン偏極するようにゲート電圧を調整して、コンダクタンスGがe2/hのときに、有限バイアス電圧を印加すると、図に示したように、ソース電極側とドレイン電極側でDNPの符号が反転する、双極子型のDNPが生成されることがわかりました。この双極子型のDNPは、抵抗検出型NMR法によって検出したときに、均一な核スピン分極とは定性的に異なる応答特性をもつことがわかりました。