ナノ光ファイバーを用いたダイヤモンドナノワイヤー中のNV中心からの高効率な光子の取り出し

2018.03.09

早稲田大学 青木 隆朗

ダイヤモンド結晶中のNV中心は優れた光学特性を持つことから、単一光子源や量子メモリ等、光子との相互作用を活用した多くの研究が進められています。ここで、ダイヤモンドの屈折率は2.42と高く、ダイヤモンド結晶外部への光子の高効率な取り出しは重要な課題です。我々は、ワイヤー状のダイヤモンドナノ結晶(ダイヤモンドナノワイヤー)の導波モードとナノ光ファイバーの導波モードを結合させることで、ナノワイヤー中のNV中心の放射を高効率に光ファイバーに集光できることを見出しました。図に示すように、ナノ光ファイバーの側面にダイヤモンドナノワイヤーを互いに平行に配置すると、それぞれの導波モードの重ね合わせによって表される2つのスーパーモードが固有モードとなります。NV中心の放射によって励起された2つのスーパーモードがナノワイヤー端面に到達したとき、2つのモードの位相差がの奇数倍であれば、これらの重ね合わせはナノ光ファイバーの導波モードに他ならず、高効率にナノ光ファイバーに結合します。ナノ光ファイバーの半径、ナノワイヤーの半径、およびナノワイヤーの長さに対する集光効率を電磁界計算により求めたところ、最大で75%の集光効率が得られることがわかりました[Y. Yonezu et al., Sci. Rep. 7, 12985 (2017)]。