量子ネットワーク上で多体エンタングル状態を効率良く作成する分散型量子アルゴリズム

2018.02.14

東京大学 村尾 美緒

各ノードに配置された量子計算機をツリー型の量子ネットワークで接続したクラスター量子計算機において、ノード間で共有する任意の多体エンタングル状態を、最小の量子通信によって作成する分散型量子アルゴリズムを構築しました。このアルゴリズムでは、ネットワークの形に応じた多体エンタングル状態の表現を求めることで、各ノードで行う量子計算とノード間での量子通信の最適な組み合わせを選び、エンタングル状態を量子ネットワーク上で少しずつ拡張して作成していきます。このため、量子通信のみならず、ノードでの量子計算に必要な最大量子メモリも節約することができます。また本研究は、未解明の点が多い多体エンタングルメントに関して、ネットワークに応じて分配された2体エンタングル状態の集合から多体エンタングルメントを生成する変換という、操作論的な意味を持つ新しい多体エンタングルメント測度を提案するものです。情報論的な観点からこの新しい多体エンタングルメント測度を理解するために、ブロック符号化を用いた近似的な多体エンタングル状態の作成について2次の漸近論による解析を行い、多体エンタングルメントに特徴的な性質を見出しました。

Ref: H. Yamasaki, A. Soeda and M. Murao, Phys. Rev. A 96, 032330 (2017)