光格子中原子の単一原子の観測と制御法の開発.

京都大学 高橋 義朗

2017.09.01

近年、2次元光格子に導入された超低温の原子集団について、単一サイトの空間分解能で単一原子を観測する技術である量子気体顕微鏡が開発されました。その高い制御性から究極の量子シミュレーターの実現が期待されています。最近、我々はイッテルビウム原子に対して、狭線幅の光学遷移を用いた冷却を駆使した量子気体顕微鏡の開発に成功しました[1,2]。特に、従来の発光を検出する方法でなく、分散型相互作用によるファラデー回転を検出する、ファラデー量子気体顕微鏡の開発に成功しました[2](図参照)。この方法では、単一原子に対して最大約10°の回転角を得ています。さらに、ごく最近、プローブ光にスクイーズド光を用いる手法を考案し、光吸収を抑えて単一原子の検出を可能にする非破壊測定の可能性を理論的に明らかにしました。また、個々の原子の測定結果をもとにフィードバック操作を行うことを計画していて、そのための空間光変調器の開発を進め光格子中の原子に照射することに成功しています。測定を介さずにフィードバックする手法も検討していて、異なるサイト間の原子に相互作用を誘起する方法として確立することを目指しています。
アブストラクトURL: http://advances.sciencemag.org/content/3/8/e1700027