「第三回フォノン勉強会」報告

2017.05.11

NTT物性科学基礎研究所 山口 浩司

新学術領域研究「ハイブリッド科学」では、電荷・スピン、フォトンとともにフォノンが量子情報を担う重要な要素と位置づけ、関連する研究を進めています。フォノンは低エネルギーであるため制御が難しく、その応用はまだ開拓されていない部分が殆どです。今回、東京理科大総合研究院ナノカーボン研究部門との共催で、東京理科大神楽坂キャンパスにて、第三回目のフォノン勉強会を平成29年5月10日に開催しました。昨年より公募研究として新しく参加された先生の話を中心に、最新の成果というよりは、研究の大きな狙いや流れをわかりやすくお話しいただく機会を設けました。

まず、東大の田畑仁先生より「酸化鉄ガーネット光子歪構造によるスピン・フォノン結合およびフォトン励起」というタイトルにより、ヘテロエピタキシャル成長により生成した人工的な歪制御により、マルチフェロ物性を出現させる試みについての講演が行われました。続いて、阪大の山本俊先生より「ボトル型光共振器によるフォトン―フォノン量子系」というタイトルで、光ファイバーを熱処理することによって作製した、高Q値の光・機械ハイブリッド共振器を用いたオプトメカニクス実験の結果について紹介がありました。最後に、NTTの畑中大樹氏より「フォノニック結晶を用いた超音波フォノン制御」のタイトルで、化合物半導体圧電機械共振器を用いたフォノニック結晶によるフォノン伝搬の電気的制御の研究に関する基礎と最先端の研究結果についての講演が行われました。

一般の参加者も含め約20名が勉強会に参加し、終了予定時刻を大幅に超過するなど、多くの活発な議論が交わされました。新学術領域研究では、領域間ならびに公募研究と計画研究間との連携を念頭に、引き続き関連した会合を積極的に開催していく予定です。