トリプルゲート量子ポイントコンタクト

2017.03.15

東北大学 平山 祥郎

通常の量子ポイントコンタクト(QPC)はスプリットゲートに負の電圧を印加して、間のチャネルを狭窄することでバリスティック1次元系を実現します。このスプリットゲートの間に細いセンターゲートを入れたものがトリプルゲートQPCで、図(a)のSEM写真のような構造をしています。この構造では、センターゲート電圧(VCG)を正にすると一次元閉じ込めが強くなることがわかっていましたが[1]、最近の研究で移動度が低く(30 m2/Vs程度)、通常の構造では量子化が見えない状況でも、VCG=0.4Vを加えるときれいな量子化特性が出現することがわかりました(図(a))[2]。QPCは様々な量子デバイスの構成要素になりますので、高移動度でなくても量子化特性が得られることは大変重要な知見です。さらに、トリプルゲートQPCではチャネルのポテンシャルが急峻になることに対応して、ファブリーペロー(FP)共鳴が現れ、図(b)に示したようにVCGを大きくするにつれ明瞭になることも確認されました。DCバイアス印加時には、FP特性はダイヤモンド状の構造の中のドットパターンとして出現することもわかりました(図(c))。

[1] H.-M. Lee, K. Muraki, E. Y. Chang, and Y. Hirayama, J. Appl. Phys. 100, 043701 (2006). [2] S. Maeda, S. Miyamoto, M. H. Fauzi, K. Nagase, K. Sato, and Y. Hirayama, Appl. Phys. Lett. 109, 143509 (2016).