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5年間にわたる領域の成果が収められています。よろしければご覧ください。
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量子情報技術のための「古くて新しい」メーザー

2020. 5. 20

沖縄科学技術大学院大学 久保 結丸

超伝導量子コンピュータに代表されるように,マイクロ波周波数帯で動作する極低温固体量子デバイスの研究が目覚ましい勢いで進展しています.その根幹をなす技術の1つに,極低温 (~10 mK) において超微弱なマイクロ波信号(~< fW)をいかに効率良く増幅できるか,が挙げられます.これまでは,この極低温におけるマイクロ波増幅は専ら超伝導体を用いたジョセフソンパラメトリック増幅器を用いてのみ実現されてきました.しかしながら,ジョセフソンパラメトリック増幅器は飽和パワーが小さく,また磁場中では動作しないなどの欠点があります.これらは汎用化への弊害と考えられます.

本研究では,スピンの誘導放出を利用したメーザー(Microwave Amplification by Stimulated Emission of Radiation,誘導放出によるマイクロ波増幅) の原理を用いて「古くて新しい」極低温マイクロ波増幅器を実現しました(図).我々は,メーザー増幅器は極めて高い飽和パワーを持ち,なおかつジョセフソンパラメトリック増幅器に匹敵する超低雑音増幅器を実現していることを確認しました.[特許申請済, 米国16/806,874, 日本2020-035699].

非線形測定に基づく2モード機械振動子の雑音圧搾

2020.3.23

NTT物性科学基礎研究所 浅野 元紀、山口 浩司

機械振動子には複数の振動モードが内在しますが、これらは熱揺らぎによってお互いに独立かつランダムな運動をします。

本領域の野村政宏准教授(東京大学)が日本学術振興会賞を受賞されました。

授賞日 2019.12.24

授賞理由
「フォノニックナノ構造を用いた熱流制御とその環境発電応用」 (Heat Flux Control by Phononic Nanostructures and Application to Energy Harvesting)
超スマート社会を支える熱電環境発電への期待から、固体材料における熱伝導の制御技術に大きな期待が寄せられており、「フォノンエンジニアリング」と呼ばれる新たな研究分野が、急速な発展を遂げている。 野村政宏氏は、フォトンとフォノンの類似性に着眼し、固体中の高度な熱伝導制御を可能にする新しい概念と技術を創出した。その中で、シリコン薄膜にフォノンに対する人工的な周期構造を作製し、熱の波動性に基づく干渉を使った熱伝導制御に初めて成功した。また、本来拡散する熱に、弾道性を利用することで、ナノ構造を用いて指向性を与えられることを提案し、実証した。これらの業績は、光学分野で発展した波動光学と幾何光学における諸概念をフォノンエンジニアリングの分野に導入し、熱流制御の新たな手法を提示した点において、重要なマイルストーンと位置づけられており、当該分野で世界を牽引する研究者として、今後の更なる発展が期待できる。
https://www.jsps.go.jp/jsps-prize/kettei.html

長距離伝搬型表面プラズモンポラリトン導波路による プラズモニック量子ウォーク回路の試作

20191211

日本大学量子科学研究所 井上修一郎

 金属ナノ構造体と誘電体の界面に光を入射すると,界面に表面プラズモンポラリトン(SPP)が誘起されます.